素材に適した試料切断機の砥石について紹介しています。
試料切断機の要ともいえる砥石は、砥粒、結合剤、気孔の3つの要素で構成されるものです。砥粒は、加工物を削る刃物に相当するもので、古く摩耗した砥粒は脱落して新しい砥粒が出ることで、切れ味を継続させる自生作用があります。結合剤は砥粒を保持するボンドのようなものであり、結合度(硬さ)が摩耗や切れ味に大きく影響するものです。気孔は、切りくずを除去するためのすき間のようなものであり、空気を運んで砥石を冷やす役割も担っています。
砥粒はアルミナ系と炭化ケイ素系の2つに大別されます。アルミナ系砥粒は、褐色アルミナ系(A)、白色アルミナ系(WA)、淡紅色系(PA)など。鋼鉄や焼入鋼などの鉄系素材に向いています。褐色<白色<単結晶の順に硬く、切れもよくなり、種類が多くメーカーによって違いがあります。
炭化ケイ素系砥粒には、黒色炭化ケイ素系(C)、緑色炭化ケイ素系(GC)があり、硬くてもろい石や鋳鉄などに主に使用されています。アルミナ系砥粒と比較すると硬い反面粘りがないため、鉄系素材に使用すると消耗が早く、研削面がくもるという欠点も。そのため、アルミや銅など、非鉄金属や超硬合金などの素材に向いています。
試料切断機で効率的かつ経済的に切断作業を行うためには、作業条件に合った砥石を選ぶ必要があります。一般的に軟らかい・細い素材の切断には硬めの砥石、硬い・太い素材の切断には軟らかめの砥石がおすすめです。また、モーターの馬力や砥石の回転速度なども関わってくるため、専門業者に相談してみるといいでしょう。