試料切断機とは、試験や検査、分析などのための試験片を作成する際に、適当なサイズに切り出す前処理として用いる切断機のことです。そんな試料切断機でできることについて紹介していきます。
試料切断機では、顕微鏡による組織観察や硬度測定などの試験片を作成することができます。切断したときに発生する熱が試験片の切断面組織に影響しないよう、基本的に液体を用いる湿式タイプにて切断。切断資料の材質によって、切断砥石やダイヤモンドカッターなどを使い分けます。
試料切断機には、試料と砥石の動きによって4種類の制御方法があります。乾式タイプの場合では上下動切断とスキップ切断が主流ですが、湿式タイプではすべての制御方法が用いられます。では、ひとつずつ見ていきましょう。
上下動切断とは、試料に対して砥石が上下に動く方法です。砥石を下降させながら切断することになります。
スライド切断は、砥石に対して試料を前後にスライドさせながら切断する方法です。
砥石を振動させながら切断します。砥石を振動させることによって切断部と砥石の接触面に切削液が常に入るため、焼けのないキレイな切断面が得られます。
切断のときに変形しやすいとされる複雑形状のものも切断することが可能です。
振動切断とは逆で、試料を振動させながら切断する方法です。試料が前後へ小刻みに動きつつ移動するため、振動切断と同様に切断面と砥石の接触面に常に切削液が入ってキレイな切断面が可能となります。
高硬度の熱処理品も切断することができます。
試料切断機は定期的なメンテナンスが重要となります。メンテナンスが不足すると徐々にさびや腐食が起こって部品が故障してしまうだけでなく、料切断機自体が故障してしまう可能性も。実績不足のメーカーの場合、メンテナンスに対する知識が少ないかもしれません。
試料切断機は実績豊富で、アフターフォローが充実しているメーカーを選ぶようにしましょう。