精密切断機とは、ダイヤモンドやCBNホイール (立体晶窒化ホウ素) など硬度が高い物質を砥石に使用して試料片を切断する装置です。摩擦面が粗くならず、材料を加工したときに発生する不要な突起やホコリのない試料片を作ることができます。
精密切断機にはCCDカメラを搭載した機種もあり、モニターで切断部分を拡大できるため正確で精度の高い切断が可能です。製造業や自動車、航空機、医療など幅広い分野で利用されています。
例えば、マルトーの「CCD搭載ステップカッター・モニターシステム」は、ステップカッター機にCCDカメラとモニタディスプレイを搭載した精密切断機で、切断(浅切込み)最小約10μmまで設定でき、微小試料の精密切断に適した製品です。
※参照元:マルトー(https://www.maruto.com/products/49-2/)
精密切断機の使用用途は以下の通りです。
※参照元:【2023年版】精密切断機 メーカー16社一覧 (https://metoree.com/categories/3394/)
ほかにも切断面の形状観察、SEM (走査電子顕微鏡) やマイクロスコープなどの観察にも役立てられており、精密さと高い品質が求められる製造業界では精密切断機の需要は伸びるでしょう。
精密切断機を使用すると、砥石の先が丸く欠ける(チッピング)や切断試料に細かいヒビが入る(クラック)のを防ぐことができます。
精密切断機を取り扱っているメーカーは、ハルツォク・ジャパン株式会社や日本電子株式会社、平和テクニカ株式会社 、株式会社マルトーなどです。
ハルツォク・ジャパン株式会社の『SERVOCUT-302』は、金属や非鉄金属、鉄鋼、セラミックス、電子材料を切断することができます。安全性の高いスライドカバーが採用されており、手動、電動どちらでも対応可能です。φ305mmまでの切断砥石を装着することもできます。タッチパネルでカラー表示になっているためわかりやすく複数の言語にも対応、砥石は専用の付属治具で簡単に交換できます。『SERVOCUT-402』は少し大きめの金属や非鉄金属、ステンレスの切断に向いている製品です。2回に分けていた切断が1回ですむので工数を削減することができます。
※参照元:イプロスものづくり(https://www.ipros.jp/product/detail/219101006)
精密切断機には乾湿タイプと湿式タイプがあります。
※参照元:【2023年版】精密切断機 メーカー16社一覧 (https://metoree.com/categories/3394/)
精密切断機の砥石に使われているのはダイヤモンドやCBNホイール (立体晶窒化ホウ素) などです。切断するときに発生する熱や摩擦が最小限に抑えられ、材料を加工したときにできる金属の出っ張りやホコリのない試料片を作ることができます。
精密切断機の制御方法には、「上下動切断」「スライド切断」「振動切断」「スキップ切断」の4つがあり、試料と砥石の動きによって方法は異なります。ほかにも砥石の可変切断(試料の硬度に応じて砥石の回転速度を変更できる)や砥石の周速制御切断(回転速度が一定)といった方法もあります。切断する材料や形によって制御方法を選択すれば、熱に弱く変形しやすい材料や高度の高い材料、複雑な形をしたものまで切断することが可能です。